練習箇所
・Passions-Motetten Ⅳ-Ⅷ(SWV56-60)
・Cantate Domino canticum novum(SWV81)
・Inter brachia salvatoris mei(SWV82)
記事
今日は次の水曜日に先生のご都合がつかないため、日曜日に振り替えて練習しました。
全体発声:55分
★SWV59
・13小節(テノール):”tuus”の”-us”はaisではなくaであるので音程に注意。
・19~21小節(アルト、テノール):テノールは20小節の”quid”の前で一旦切る。引き続き”tibi”の”ti-“のタイでアルトに渡す雰囲気を醸し出す。アルトはその雰囲気を感じ取って”pro”をしっかり出す。
・29~31小節(下3声):アルトとテノールの29小節4拍目から、及びテノールとバスの30小節3拍目からはタイミングを合わせる。特に、アルトとテノールの29小節4拍目裏は共に”re-“である。アルトは”retribisti”(イエスが報いた/完了)と歌い、テノールは”retribuam”(私も報いよう/未来)と歌う。つまり、人称と時制の異なる言葉を敢えて重ね”re-“で繋げるシュッツの意図を汲みましょう。タイミングと音程をバシッと合わせましょう。
・34小節(アルト):”meus”の”me-“のところでCis-durの主和音になる。直前のE-durから音程を取るのは難しく、特にアルトは半音上昇で3度を取るため低くなりがちであるが、テノールの主音を良く聴いてハモらせる。
・36小節(バス):3拍目のdisの音程が不安定にならない。ここは7の和音(喜びを象徴)になっていて、展開形であるためバスとしては音程を取りにくいが、バスの音程が不安定だと「我が神/”deus meus”」を喜んでいない様に聞こえます。
★SWV60
・4小節(バス):バスの音は単に上昇しているだけではなく他のパートと和音を構成していることに注意。
・12小節(アルト):”vota”は額から声を出して輝きを出す。”vota”は”votum”(誓い)の複数形ですが、輝きのない声だと「呪いの誓い」になってしまいます。
・16小節(バス):”reddam”が話し言葉にならない。[r]の後の[e]が狭くならない。
・18小節(バス):3拍目のgの音程が低くならない。テノールと5度でハモらせる。
・19小節(アルト):”coram”は額から声を出す。”coram”は面前という意味であり、民衆全員の顔から放出される期待を醸し出しましょう。
・20小節~(全体):”et”の後、慌てて”misericordias”に突入している。間にポーズを取る(”et”を短めに切って落ち着いて”miseri-“を歌い出す)。車間距離をとらないと事故になりますよ。
★SWV58
・1小節(全体):歌い出しの16分音符は、2のアンザッツを使って1音ずつしっかり声を出す。
・14小節(テノール):ラテン語で”ego”が使われるのは、「ワッタッシッ」と自己主張する場合ではあるが、テノールだけがあまり自意識過剰になって大声を張り上げると、アルトやバスがびっくりしてハーモニーが崩れる。あくまで歌声として自己主張しましょう。
・14~15小節(アルト):aからaisに移る時にaisの音が低くなる。音を上から取る。なお、これらの音程はアルトとしては低いので2のアンザッツを意識する。
・24小節(アルト):4拍目のdisの音程を正しく取る。他のバートとHの主和音を構成していることを意識する。
・39小節(下3声):2拍目がHの主和音の第2展開形になっている。特にアルトはテノールと3度を構成していることを意識してハーモニーを充実させる。
・54小節(アルト、テノール):”tu felis”の”tu”の音程を探らない。毅然と歌い出す。毅然としないと「アレー、苦渋を舐めたのは誰だったっけ、フニャフニャ」という感じになりますよ。
★SWV57
・22~23小節(アルト、テノール):”ego tue”と”passionis”との間で3度の音程を保ちつつ音が急降下している。これは、”passionis”(受難の)という言葉が低められた概念を持つためで、シュッツはアルトとテノールに3度を保ったまま急降下するという超絶技巧を要求している。この様な難局を乗り切るためには、”passionis”の前で超絶的短いポーズを取って気分を変えましょう。
★SWV56、SWV82、SWV81
一度通して歌いました。
(お詫び:SWV82,81の録音失敗しています)
次回からはゼレンカも復習していきます。
そろそろ曲想をつけたいという先生の発言もありましたので、各自復習をお願いします。
備考
♪アルトに見学の方が見えました。
♪今週水曜日は練習お休みです。次回は7月10日になります。